2020年12月現在の稲田石の採掘状況

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弊社は採掘元である茨城県より、稲田石のお墓や石材を、オーダー制作にて全国の石材店様へお届けしております。

2020年12月現在の稲田石の採掘状況を、稲田石採掘場のご紹介や採掘方法をあわせてお伝えして参ります。

 

【採掘場全景 2020年12月現在】

まずは採掘場のご紹介をいたします。全景がなるべく見えるよう、下の方から撮影しました。写っているのは15ヘクタール(東京ドームおよそ5個分)ある丁場の3分の1くらいです。

画像の左手前は、墓石に使用する一級品が採れる場所です。ユンボが作業している右手の場所は石が柔らかくなってしまっている場所で、品質もあまり良くないため、捨て石や割グリ等になる石を採っています。

 

右手に見えていた、ユンボが作業している場所です。地表に近いところなので石の硬さも足りず傷も多いため、墓石用としては不向きです。ユンボの先にはブレーカーが付いていて、石を砕いています。

 

初めの画像の左手前、一級品が採れる場所です。墓石には、特に色合いが美しくばらつきがない、最高級のもののみを使用しますが、それは採掘したものの10分の1以下ともいわれます。印は、石を切り出す作業をしている職人の姿です。

 

採掘の方法は、ジェットバーナーや火薬を使用した発破が一般的です。こちらは、ジェットバーナーで焼き切って岩盤から石を切り離しています。大きな岩盤の上にしゃがみこんで作業しています。稲田石は石の性質や、岩盤がとても大きいことから、鳥居などの長物や大きな建造物によく使用されてきました。

 

左がジェットバーナーです。最初はこのように立った状態から切っていき、下に向かって5mくらい、先ほどのようにしゃがみこみながら切っていきます。ジェットバーナーにこれだけの長さがあるのはそうした理由です。

右は削岩機です。ジェットバーナーを使用できないところは、まずは削岩機で穴を掘り、そこへ火薬を落として岩盤から石をはがしていきます。かつてバーナーが使用されるようになるまでは、この削岩機と火薬を使用した方法が一般的でした。

採掘は、振動や騒音があってとても大変な作業です。以前より進歩した機械のジェットバーナーも騒音が大きく、一般の方はそばに5分といられないと思います^^; ただ最近では最新の技術として、ひも状のワイヤーで切る「ダイヤモンドワイヤーソー」での採掘も行われています。無振動・低騒音で粉塵が少なく、石の細部まで無駄なく利用できるという利点もあります。火薬の使用料も3割程度に抑えることができます。

 

【原石置き場】

広大な敷地から切り出した稲田石は、切削機等に入れられるくらいの大きさまで揃えて割っておきます。その原石は、通常こちらにストックしています。現状では、弊社で使用するものを除いてストックが切れてしまっています。

 

現状の20倍くらいの量がありましたが、ありがたいことに、今年は秋までにかなりの量をご注文いただきました。年明け1月中には、こちらにまた原石が並ぶことを目標に日々採掘を進めております。

状況が動き次第、また新しい情報をお伝えしてまいります!